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二次元コード基礎知識

バーコードはあらゆる分野で活用されていますが、普及するにつれて、更なる情報の収納やより小さなコードといったニーズが高まっていきました。そのニーズに応えるために二次元コードが開発されました。今では製造業や流通業のみならず、日常生活でも広く活用されています。

二次元コード体系別

二次元コードは主に下記のような種類があります。

QRコード

QRコード

大きな情報量、誤り訂正機能といった二次元コードの特徴に加え、二次元コードの弱点だった読み取り性能においても非常に優れた二次元コードです。また、日本で開発された二次元コードのため、漢字、カナ、ひらがなの情報を効率よく情報を収納できます。

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マイクロQRコード

マイクロQRコード

オリジナルのQRコードよりもデータ効率が高い二次元コードです。また、QRコードには切り出しシンボルが3つあるのに対して、マイクロQRコードは1つしかありません。QRコードと比べると少ない情報しか入りませんが、極小スペースにも印字できます。

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DataMatrix

DataMatrix

情報密度が非常に高く、誤り訂正率も高いことから、アメリカでは部品のマーキングに使用されています。DataMatrixにはいくつかバージョンがあり、現在広く使われているECC200は、歪みを補正する機能が追加された比較的新しいバージョンです。

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MaxiCode

MaxiCode

貨物の仕分けや追跡のために、アメリカの宅配業者によって開発されたコードです。収納できるデータの容量が少ないですが、高速な読み取りが可能で、物流分野において高く評価されています。中央に特徴的なファインダパターンが配置されています。

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PDF417

PDF417

低価格のレーザスキャナでも読み取れること、縦横のデザインの変更が容易であること、優れたエラー訂正機能を持っていることから、出荷明細書、品質管理、免許証など様々な用途で使用されており、EDIの標準シンボルとしてISOでも規定されています。

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MicroPDF417

MicroPDF417

PDF417を小型化したもので、非常に小さなスペースでも印字できること、有効期限・ロット番号もコード化できることから、薬剤、医療材料、基板の部品などのマーキングに使用されています。

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二次元コードの特徴

○バーコードに比べて、情報密度が非常に高い
バーコードに比べ、10分の1~100分の1に高密度化して同じ桁数を表現できるため、バーコードではできなかった極小スペースへのマーキングが可能です。

○豊富な情報量
最大情報量はバーコードの10~100倍でカナや漢字も利用できます。二次元コードの中には、1KB以上の情報量を収納できるものもあります。そのため、バーコードが識別コードとして使用されるのに対し、二次元コードは大容量データ収納媒体(ポータブルデータファイル)として使用できます。

○誤り訂正機能により、汚れ、傷などの障害に強い
コードが汚れたり破損した場合でも、読み込んだデータを元のデータに復元する機能があるため誤読がなくなります(復元できるレベルを超えた場合は読取不可になります)。誤り訂正機能により復元できる程度は段階的に設定することが可能で、その段階を誤り訂正レベルと呼びます。誤り訂正レベルはエンコード時に設定可能で、誤り訂正レベルを最大にすることによりコードの2分の1以上の破損でも復元が可能なものもあります。

○読み取り方向・角度に対する柔軟性が高い
二次元コード対応のCCDスキャナで、360度全方向からの読み取りが可能です。対象物の向きに制約がなくなるため、作業の効率化が図れます。

二次元コードの欠点

○書き換えができない
バーコードと同じく二次元コードも読み出し専門ですのため、磁気やRF-IDなどのようにデータの消し込み、書き替えはできません。

○すべての情報を表記・表示するのが困難
大きな情報量が収納されている場合、読み取った情報をスキャナの画面上にすべてを表示することができません。また、バーコードのように情報をルビ表示することも不可能になります。そのため、コードが破損した際のリカバリー手段としての、誤り訂正機能は非常に重要になります。

二次元コードの仕様

○二次元コード体系
二次元コードには様々な体系があるため、目的に合致したものを選択する必要があります。
【主なバーコード体系】 QRコード, マイクロQRコード, DataMatrix ECC200, PDF417, マイクロPDF417, MaxiCodeVeriCode

○セルサイズ
セルサイズは、印字するプリンタの解像度により異なります。

○スタック型(マルチローシンボル体系)とマトリックス型(マトリックスシンボル体系)
二次元コードを大別すると、一次元シンボル(バーコード)を複数段重ねたスタック(Stack=積み重ね)型と、細かく分割された四角や六角のセル(Cell=細胞)が白か黒かでデータを読むマトリックス(Matrix=基盤・細胞間物質・字母・行列などの意)型に分けることができます。
スタック型は、シンボルキャラクタ、またはデータコードワードと呼ばれるバーコードシンボルが情報の基本単位となっており、それが縦横に並んでいます。どの行からでも読み込めるように、行の情報を表したロウインジケータが配置されており、さらにスタート・ストップコードに囲まれています。バーコードと同様にバーの幅で情報を表すので、二次元コード対応のCCDスキャナはもちろん、従来のレーザスキャナやCCDスキャナでも読み取ることができます。
マトリクス型は、セルと呼ばれる正方形もしくは点が情報の基本単位となっており、それが格子状に並んでいます。読み取りの際にコードを認識しやすくするために、フレームに囲われていたり、切り出しマークもしくはビューファインダと呼ばれるマークがあります。セルの配置で情報を表すので、原則として二次元対応のCCDスキャナ以外では読み取れません。

○エラー訂正
エラー訂正方式には、少ないデータに有効なコンボリューショナル方式と、大きなデータに有効なリードソロモン方式があります。基本的にアメリカNASA(National Aeronautics and Space Administration)が開発したリードソロモン方式を共通的に採用しています。二次元コードの中には、もともとコンボリューショナル方式を採用していましたが、ISOで規格化する際にリードソロモン方式を採用したものもあります。

二次元コードに関する注意点

二次元コードを作成する際は、バーコードと同様の点を注意する必要があります。詳しくは「バーコード基礎知識」をご覧ください。

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