コード概要
コード外観 | ||
規格 | ISO | 18004 |
JIS | X0510 | |
キャラクタ・セット | 数字、アルファベット、漢字、カナ、ひらがな、記号、バイナリ、制御コードなど | |
情報量(※) | 数字 | 最大7,089文字 |
アルファベット・記号 | 最大4,296文字 | |
漢字 | 最大1,817文字 | |
体系 | マトリックス型 | |
エラー訂正方式 | リードソロモン方式 | |
誤り訂正 | L(7%)、M(15%)、Q(25%)、H(30%) | |
バージョン | Model1 | 1(21×21セル)~12(73×73セル) |
Model2 | 1(21×21セル)~40(177×177セル) | |
最小セルサイズ | 0.254㎜ | |
最小クワイエットゾーン | 上下左右各セルサイズの4倍 | |
使用実績例 | 自動車部品生産を初めとする製造業、流通業、広告、ネットショップなど |
※モデル2、バージョン40、誤り訂正レベルLの場合
QRコードの概要
QR(Quick Response)コードは、1994年デンソーウェーブ(日本)によって開発されたマトリクス型の二次元コードです。非常に速い読取り速度、大容量のデータの収納が可能、といった特徴があります。また、日本で開発されたコードのため、漢字などの表現も効率よく行うことができます。そのため、日本はもちろん、日本以外の漢字を使用する国・地域(中国、韓国、台湾、香港など)でも広く利用されています。
QRコードの特徴
○情報密度が非常に高く、多くの情報の収納や、省スペース化に活用できる
バーコードに比べ、10倍~100倍に高密度化して同じ桁数を表現できるため、バーコードと比べて多くの情報を収納することができます。また、同じ情報量であれば、より小さなスペースへのマーキングが可能となります。
○漢字、カナの情報も効率よく収納可能
QRコードは、あらかじめ漢字、カタカナをキャラクタセットとして定義しています。漢字、カナを直接コード化できるため、他の二次元コードと比較して20%以上効率がいい日本語表現が可能です。漢字は「JIS X 0208(JIS第1第2水準漢字)」で制定されている約6,300字に対応しています。また、日本国外で使用される漢字(簡体字・繁体字など)にも対応が可能です。
○誤り訂正機能により、汚れ、傷などの障害に強い
コードの一部が汚れたり破損した場合でも、正しく読み取ることが可能です。誤り訂正機能により復元できるレベルは、L(7%)、M(15%)、Q(25%)、H(30%)の4段階から選択できます。
○どのような角度でも高速読取りができる
二次元コード対応のCCDスキャナで、360度全方向からの高速の読取りが可能です。通常、マトリクス型の二次元コードを読取りは、一度カメラによって取り込んだデータをメモリ上に展開した上で、ソフトウェアで詳細を解析し、コードの位置や傾きを検出し、デコードを行っています。従来の二次元コードは、コードの位置や傾きの検出に時間がかかるという問題がありましたが、QRコードはファインダパターンを三つの頂点に配置することによって、どのような傾きでも高速の読取りを可能にしました。
○コードを分割または連結することができる
一つのQRコードを最大16個まで分割することができます。この機能によって、長細いスペースに印刷することが可能になります。分割したQRコードには、分割数と何番目のコードかを示すインジケータが入っており、どのような順番で呼んでも問題ありません。また分割したQRコードを連結させ一つのデータにすることも可能です。
QRコードの構成・用語
○セル
セルとは、QRコードを構成する白及び黒の正方形のことです。
○ファインダパターン
ファインダパターンとは、シンボルの位置を検出するためのパターンのことで、QRコードの角にある三つの大きな正方形のことを指します。三つの頂点に配置することで、シンボルの位置や大きさ、傾きも検出できます。ファインダパターンは、360度全方向で検出可能な構造となっており、切り出しシンボルとも呼ばれます。
○アライメントパターン
シンボルの歪みを補正するためのパターンです。アライメントパターンの中心座標を基準にして、シンボルの歪みを補正するので、中心座標を検出しやすい構造になっています。モデル2より追加されています。
○タイミングパターン
シンボル全体の歪みや、セルピッチに誤差が生じている場合に、各セルの中心座標を補正するためのパターンです。白いセルと黒いセルが交互に配置されています。
○フォーマット情報
誤り訂正レベルやマスクパターンに関する情報が収納されています。マスクパターンとは、白い及び黒いセルが偏ったり、ファインダパターンなどに近い配列になると読取に支障がでるため、そのバランスを調整するものです。
○クワイエットゾーン
セルで構成された正方形のコードの周囲にある空白の部分です。QRコードでは4セル分の空白が必要です。
○モデル
最初に発明されたモデル1と、より多くの情報を収納できるようになったモデル2があります。アライメントパターンはモデル2にしかありません。
関連技術情報
◯自動認識基礎知識 ◯二次元コード基礎知識 ◯金属・樹脂銘板基礎知識 ◯シール/ラベル/ステッカー基礎知識 ◯カード基礎知識