自動認識基礎知識
自動認識(Automatic Identification)とは、「人間を介さず、ハード、ソフトを含む機器により自動的にバーコード、磁気カード、RFIDなどのデータを取り込み、内容を認識する」ことです。欧米では、同義語として自動データ収集技術までを含めた、AIDC(Automatic Identification & Data Capture)も、使用するようになってきました。
自動認識の種類
自動認識技術には、さまざまな業界でよく使われているものだけでも、下記の種類があります。当社では、バーコード、二次元コード、RFID、磁気ストライプ、OCRに関する製品を製造、販売しています。
バーコード
光学的反射率の高い棒状のスペース部分と低い棒状のバー部分との組合せで情報を表示し、機械読取りを可能とした情報担体の総称で、一次元シンボルや一次元コード、リニアコードとも呼ばれることがあります。太いバーと細いバーで構成された二値幅シンボル体系と、単一の幅のバーが集まって様々な幅を表現する(n,K)シンボル体系があります。
二次元コード
X軸およびY軸の両方向に情報を表示し、機械読取りを可能とした情報担体の総称で、バーコードに比べ10倍から100倍の情報量と情報化密度を持っています。バーコードを重ねたようなマルチローシンボル体系と、四角形や六角形で構成されたマトリックス体系があります。
RFID
カード状またはタグ状の媒体に、電波を用いてデータを記録または読出しを行い、アンテナを介して通信を行う認識方法です。そのため、目視できない場所でも電波が届く限り遠隔でも情報の読取りができることが最大の特徴です。
バイオメトリクス
生体認識のことで、指紋、網膜、光彩、音声など、生物個体が持つ特性により認識する技術です。
磁気ストライプ
カードなどにつけた磁気ストライプに磁気変化によりデータを記録、読出しする技術です。代表的なものとして銀行のキャッシュカードやクレジットカードなどがあります。また、定期券やテレホンカードなども含まれます。
OCR
光学的文字認識のことで、印刷または手書き文字を光学的に直接読取り、認識する技術です。OCR-AやOCR-Bのような、機械的に認識しやすいフォントが開発されています。
マシンビジョン
カメラ等で読込んだ画像データをコンピューターにより処理する技術で、「機械の目」とも呼ばれています。工場の生産ラインや、医療業界で使用されています。
自動認識技術の比較
バーコード | 二次元コード | RFID | 磁気ストライプ | OCR | |
入力速度※1 | ◯ | ◯ | ◯ | △ | △ |
読取率※2 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | △ |
データ量 | 数十文字 | 1KB以上 | 30bit~8KB | 48文字/インチ | 数十文字 |
遠隔読取※3 | ◯ | ◯ | ◯ | × | △ |
読取方向 | 一方向 | 多方向 | 一方向 | ||
目視読取※4 | ◯ | △ | × | × | ◯ |
メディア | 紙、樹脂、金属、ディスプレイ | 半導体 | 磁気 | 紙 | |
汚れ※5 | △ | △ | ◯ | × | × |
リーダ価格※6 | ◯ | × | × | ◯ | × |
メディア価格※6 | ◯ | ◯ | × | × | ◯ |
- ※1 入力速度は、「〇:高速,△:中速,×:低速」で評価しています。
- ※2 読取率は、「〇:高,△:中,×:低」で評価しています。
- ※3 遠隔読取は、「〇:可能,△:困難,×:不可能」で評価しています。
- ※4 目視読取は、「〇:可能,△:少ないデータは可能,×:不可能」で評価しています。
- ※5 汚れは、「〇:強い,×:弱い」で評価しています。
- ※6 リーダ価格、メディア価格は、「〇:安価,×:高価」で評価しています。
製作の流れ
一般的な自動認識関連製品の製作の流れは、下記の通りです。
- ①製品仕様打合せ
- 自動認識関連製品は、使用環境や使用目的、製作数量等により、適した製法、素材が異なり、その選択には十分な検討が必要となります。 自動認識関連製品のご選定についてはお気軽に弊社営業担当までご相談ください。その際には、下記の点についてお知らせください。
- (1)用途
- (2)使用環境
- (3)使用期間
- (4)使用予定数量
- (5)現状の製品仕様
- (6)現状の問題点
- (7)その他、ご要望事項
- ※東京および名古屋近郊のお客様は、必要に応じてお打合せにお伺いさせていただきます。
- ※東京および名古屋近郊以外のお客様は、基本的に電話およびメールでの対応となります。
- ②製品仕様・価格のご確認
- 上記打合せ後、弊社から推奨製品仕様および製品価格を提示させていただきます。
- ③ご発注
- 製品仕様および製品価格にご納得いただけましたら、ご発注ください。
- ④版下原稿作成
- 版下原稿とは、製版して印刷するための元になるものです。
- ⑤製作
- 製作期間は、自動認識関連製品の製品種別、製品仕様、数量、弊社繁忙状況等によってかわりますが、概ね1ヵ月程度です。ご希望納期をお知らせいただければ、極力、調整いたします。
- ⑥お届け
- 基本的に宅配便によりお届けさせていただきます。
- ※東京および名古屋近郊のお客様は、必要に応じて納品にお伺いさせていただきます。
- ※東京および名古屋近郊以外のお客様は、基本的に宅配便での納品となります。
関連技術情報
◯バーコード基礎知識 ◯二次元コード基礎知識 ◯RFID基礎知識 ◯金属・樹脂銘板基礎知識 ◯シール/ラベル/ステッカー基礎知識
◯カード基礎知識