コード概要
コード外観 | ||
規格 | ISO | 16023 |
キャラクタ・セット | 数字、アルファベット、記号、バイナリ | |
情報量(※) | 数字 | 最大138文字 |
アルファベット | 最大93文字 | |
体系 | マトリックス型 | |
エラー訂正方式 | リードソロモン方式 | |
誤り訂正 | 約30%(SEC)、約42%(ECC) | |
モード | 0~6 | |
最小モジュール幅 | 0.83㎜ | |
最小クワイエットゾーン | 左右各Wの1倍、上下各W×(1.5/√3)(モジュール幅をWとする) | |
使用実績例 | 物流業、国際標準物流ラベルなど |
MaxiCodeの概要
MaxiCodeは、1987年に宅配業者のUPS社(アメリカ)によって、物流の仕分けや追跡のために開発されたマトリクス型の二次元コードです。そのため、高速読取りを可能にするための様々な工夫がなされています。通常、バーコードや二次元コードといったシンボルは、リーダーやプリンタ等のメーカーによって開発されることが多いですが、このMaxiCodeはユーザーが自社で使用するために開発したという点で、非常に珍しいシンボルです。
MaxiCodeの特徴
- ○読取り速度が非常に速い
- ファインダパターンを中心に配置する、傾きを検知するための方向パターンが6つある、データ量に関わらずシンボルサイズを固定する、などの工夫をすることによって、MaxiCodeは非常に高い読取り速度を実現しています。その一方で、他の二次元コードと比べて収納できるデータ量はあまり多くありません。
○誤り訂正機能により、汚れ、傷などの障害に強い
コードの一部が汚れたり破損した場合でも、正しく読み取ることが可能です。誤り訂正は、標準エラー訂正(SEC/約30%)と拡張エラー訂正(ECC/約42%)の2種類があり、通常使用するモード4では、プライマリメッセージには必ずECCが適用されます。また、セカンダリメッセージは、SECかECCのどちらを使用するかを選択できます。
○どのような角度でも高速読取りができる
二次元コード対応のCCDスキャナで、360度全方向からの高速の読取りが可能です。通常、マトリクス型の二次元コードを読取りは、一度カメラによって取り込んだデータをメモリ上に展開した上で、ソフトウェアで詳細を解析し、コードの位置や傾きを検出し、デコードを行っています。MaxiCodeは方向パターンを六つ配置することによって、どのような傾きでも高速の読取りを可能にしました。
MaxiCodeの構成・用語
○モジュール
モジュールとは、MaxiCodeを構成する白及び黒の六角形のことです。縦3個×横2個の計6個のモジュールで、一つのコードワードを構成しています。
○ファインダパターン
ファインダパターンとは、シンボルの位置を検出するためのパターンのことで、MaxiCodeの中央にある3つの同心円のことを指します。中央に配置することで、物流による汚れや欠損を最小限に抑えることができます。
○方向パターン
MaxiCodeの傾きを検知するためのパターンです。ファインダパターンの周囲に配置され、その位置の白、黒を読取ることにより、MaxiCodeがどのような向きになっているかを検知します。
○プライマリメッセージ
MaxiCodeでは、収納した情報をプライマリメッセージとセカンダリメッセージに分けて配置します。プライマリメッセージとは重要な情報のことで、セカンダリメッセージはそれ以外の情報のことです。プライマリメッセージをファインダパターン周辺に配置することで、汚れによる読取エラーを最小限に抑えます。
○クワイエットゾーン
六角形のモジュールで構成された正方形のコードの周囲にある空白の部分です。モジュール幅をWとした場合、MaxiCodeのクワイエットゾーンは、左右はそれぞれWの1倍、上下はそれぞれW×(1.5/√3)分が必要です。
- ○モード
- MaxiCodeにはモードが0~6まで用意されています。モード0とモード1は、旧式のため現在使用されていません。モード2とモード3は、運輸業界向けに設計されており、はじめの120ビットがECC、残りのビットにはSECが使用されます。モード4は標準シンボルに使用されており、プライマリメッセージにEEC、セカンダリメッセージにSECが使用されます。モード5は、プライマリメッセージ・セカンダリメッセージ共にEECが使用されます。モード6は、リーダのプログラムするためのモードで、このシンボルを読取ってもデータは送信されません。
関連技術情報
◯自動認識基礎知識 ◯二次元コード基礎知識 ◯金属・樹脂銘板基礎知識 ◯シール/ラベル/ステッカー基礎知識 ◯カード基礎知識