コード概要
コード外観 | ||
規格 | JIS | X0506 |
キャラクタ・セット | 数字(0~9)、記号(-、$、:、/、.、+) | |
スタート・ストップキャラクタ | a、b、c、d | |
コードタイプ | 分離型(Discrete) | |
体系 | バイナリレベル(2値幅シンボル体系) | |
データキャラクタ | バー4本、スペース3本(太エレメント2本、細エレメント5本) | |
情報量 | シンボルの長さ | 可変長 |
キャラクタ密度 | 約5字/㎝ | |
太エレメント細エレメント比 | 2.0~3.0 | |
最小モジュール幅 | 0.191㎜ | |
両方向走査 | 可能 | |
自己チェック機能 | あり | |
チェックデジット | 利用するか選択できます | |
最小クワイエットゾーン | モジュール幅の10倍または2.54㎜の大きい方(手動で走査する場合は6.35㎜以上推奨) | |
使用実績例 | 図書館における貸出管理、血液銀行の管理、宅配便の配送など |
NW-7の概要
NW-7は、モナークマーキング社(アメリカ)が1972年に開発した比較的初期のバーコードです。日本では主にNW-7と呼ばれていますが、CODABAR、Code 2 of 7と呼ばれることもあります。NW-7では一つのキャラクタを表すのに、Narrow(狭い)とWide(広い)幅の、7本のバーとスペースを用いており、その特徴が名称の由来になっています。比較的単純な構成のバイナリレベルのバーコードのため、高精度の印刷は要求されません。
NW-7の特徴
- ○読取精度が高い
- ITF(INTERLEAVED 2 of 5)と比較して、情報密度は低いものの桁落ちが少ないという特徴があります。桁落ちとは、桁数を少なく読取ってしまう現象のことです。
NW-7の構成・用語
○バー・スペース
バー及びスペースとは、NW-7を構成する最小単位のことです。NW-7ではそれぞれ2種類の太さがあります。
○スタート・ストップキャラクタ
スタート・ストップキャラクタとは、コードの始まりと終わりを示すキャラクタです。NW-7では、A、B、C、D(a、b、c、d)のいずれかが使用されます。
○チェックデジット
NW-7は、チェックデジットを利用するか選択できます。また、利用できるチェックデジットはいくつか種類があります。
○キャラクタ間ギャップ
キャラクタ間ギャップとは、それぞれのキャラクタの間のスペースのことを言います。通常はナローバーと同じ幅のスペースです。
○クワイエットゾーン
クワイエットゾーンとは、コードの左右にある空白の部分です。クワイエットゾーンは、モジュール幅の10倍または2.54㎜のいずれか大きい値の余白が必要となります。
代表的なチェックデジット
NW-7(CODABAR)では、様々なチェックデジットが利用されています。
- ○モジュラス10 ウェイト2・1分割(M10W21)
<計算式> - ①データの末尾の桁からウエイトを2.1.2.1.とかけます。
- ②ウエイトを乗じた数が2桁になる場合は 1桁ごとに分けて加算し総和を求めます。
- ③総和を"10"で割りその余りを求めます。
- ④"10"より余りを引いた値がチェックデジットとなります。
- <計算例> (例)12345678
- ①(8×2)+(7×1)+(6×2)+(5×1)+(4×2)+(3×1)+(2×2)+(1×1)=16+7+12+5+8+3+4+1
- ②(1+6)+7+(1+2)+5+8+3+4+1=38
- ③38/10=3 余り8
- ④10-8=2 チェックデジット「2」 ※余りが0の場合はチェックデジット「0」
- ○モジュラス10 ウェイト2・1一括(M10W21)
<計算式> - ①データの末尾の桁からウエイトを2.1.2.1.とかけてゆき総和を求めます。
- ②総和を"10"で割りその余りを求めます。
- ③"10"より余りを引いた値がチェックデジットとなります。
- <計算例> (例)12345678
- ①(8×2)+(7×1)+(6×2)+(5×1)+(4×2)+(3×1)+(2×2)+(1×1)=16+7+12+5+8+3+4+1=56
- ②56/10=5 余り6
- ③10-6=4 チェックデジット「4」 ※余りが0の場合はチェックデジット「0」
- ○モジュラス10 ウェイト3・1
<計算式> - ①データの末尾の桁からウエイトを3.1.3.1.とかけてゆき総和を求める。
- ②総和を"10"で割りその 余りを求める。
- ③"10"より余りを引いた値がチェックデジットとなる。
- <計算例> (例)12345
- ①(5×3)+(4×1)+(3×3)+(2×1)+(1×3) =33
- ②33/10=3 余り3
- ③10-3=7 チェックデジット「7」 ※余りが0の場合はチェックデジット「0」
- ○モジュラス11 ウェイト2~7(M11W2~7)
<計算式> - ①データの末尾の桁からウエイトを2.3.4.…7.とかけてゆき、ウエイトが7を越えるときは、再び2.から3.4.とかけていき総和を求めます。
- ②総和を"11"で割りその 余りを求めます。
- ③"11"より余りを引いた値がチェックデジットとなります。
- <計算例> (例)12345678
- ①(8×2)+(7×3)+(6×4)+(5×5)+(4×6)+(3×7)+(2×2)+(1×3)=16+21+24+25+24+21+4+3=138
- ②138/11=12 余り6
- ③11-6=5 チェックデジット「5」 ※余りが0の場合はチェックデジット「0」、余りが1の場合はチェックデジット「0」
- ○モジュラス11 ウェイト1~0(M11W1~0)
<計算式> - ①データの末尾の桁からウエイトを1.2.3.…とかけてゆき総和を求めます。
- ②総和を"11"で割りその 余りを求めます。
- ③"11"より余りを引いた値がチェックデジットとなります。
- <計算例> (例)12345678
- ①(8×1)+(7×2)+(6×3)+(5×4)+(4×5)+(3×6)+(2×7)+(1×8)=8+14+18+20+20+18+14+8=120
- ②120/11=10 余り10
- ③11-10=1 チェックデジット「1」 ※余りが0の場合はチェックデジット「0」、余りが1の場合はチェックデジット「0」
- ○セブンチェック(7DR及び7DSR)
<計算式> - ①データを7で割り、余りを求めます。(7DR)
- ②さらに、7から余りを引きます。(7DSR)
- <計算例> (例)12345
- ①12345/7=1763 余り4 チェックデジット「4」(7DR)
- ②7-4=3 チェックデジット「3」(7DSR)
- ○ナインチェック(9DR及び9DSR)
<計算式> - ①データを9で割り、余りを求めます。(9DR)
- ②さらに、9から余りを引きます。(9DSR)
- <計算例> (例)12345
- ①12345/9=1371 余り6 チェックデジット「6」(9DR)
- ②9-6=3 チェックデジット「3」(9DSR)
- ※上記のチェックデジットのご使用で、万一トラブルや損失・損害等が発生したとしても、弊社は一切責任を負わないものとします。
関連技術情報
◯自動認識基礎知識 ◯バーコード基礎知識 ◯金属・樹脂銘板基礎知識 ◯シール/ラベル/ステッカー基礎知識 ◯カード基礎知識