コード概要
コード外観 | ||
規格 | ISO | 16390 |
JIS | X0505 | |
キャラクタ・セット | 数字(0~9) | |
コードタイプ | 連続型(Continuous) | |
体系 | バイナリレベル(2値幅シンボル体系) | |
データキャラクタ | 太エレメント2本、細エレメント3本 | |
情報量 | シンボルの長さ | 可変長(ただし偶数桁) |
キャラクタ密度 | 7.1字/㎝ | |
太エレメント細エレメント比 | 2.0~3.0 | |
最小モジュール幅 | 0.191㎜ | |
両方向走査 | 可能 | |
自己チェック機能 | あり | |
チェックデジット | 利用するか選択できます | |
最小クワイエットゾーン | モジュール幅の10倍または2.54㎜の大きい方(手動で走査する場合は6.35㎜以上推奨) | |
使用実績例 | 標準物流コード、ビデオバーコード予約など |
ITF(INTERLEAVED 2 of 5)の概要
ITFは、インターメック社(アメリカ)が1972年に開発したバーコードです。従来のバーコードがバーのみでキャラクタを表していたのに対し、ITFはスペースでもキャラクタを表現できるので、情報密度が高く、1981年アメリカで梱包配達の標準シンボルとして採用されました。ITFは、①バーの間にあるスペースにもデータを収納している(Interleaved:~と~の間に)、②一つのキャラクタを表すのに、5本のバーもしくはスペース(うち2本が太いエレメント)を用いている、といった特徴があり、その特徴が名称の由来になっています。
ITF(INTERLEAVED 2 of 5)の特徴
- ○収納できるデータは必ず偶数桁
- ITFでは、先頭から数えて奇数の順番にあるキャラクタをバーで、偶数の順番にあるキャラクタをスペースで表しています。つまり、二つのキャラクタを1組として、10本のバーとスペースで表しているので、ITFの桁数は必ず偶数になります。収納するデータが奇数桁の場合は、先頭に0を追加して偶数桁にする必要があります。
- ○情報密度が高い
- ITFは、スペースにもデータを収納しており、他のバーコードと比べて情報密度が高いため、同じデータ量なら、他のバーコードよりも大きさを小さくすることができます。また、同じサイズなら、より多くのデータを収納することができます。
- ○印刷精度が低くても読取りやすい
- ITFはバイナリレベルのバーコードなので、ナローバー/ワイドバー比率にある程度の許容範囲があります。また、ITFは情報密度が高いため、同じデータ量及び同じサイズの場合、他のバーコードよりもバーの幅を大きくすることができます。
○桁落ち(部分読み)が発生しやすい
スキャナで読み取る際に斜めで読み取ってしまうと、桁落ち(部分読み)という現象が発生する場合があります。桁落ちとは、バーコードの一部分しか読取らないことによって、桁数を少なく認識してしまう読取不良のことです。スキャナの設定を、事前に決めた桁数以外は読取らないようにすることより、桁落ちを防ぐことができます。
ITF(INTERLEAVED 2 of 5)の構成・用語
○バー・スペース
バー及びスペースとは、ITFを構成する最小単位のことです。ITFではそれぞれ2種類の太さがあります。
○スタートとストップを表すバーパターン
ITFには、スタート・ストップキャラクタがない代わりに、スタートとストップを表すバーのパターンがあります。
○チェックデジット
ITFは、チェックデジットを利用するか選択できます。特に定まったチェックデジットがあるわけではありませんが、モジュラス10ウェイト3・1が利用されることが多いです。また、チェックデジットは、先頭から数えて偶数の順番に位置するので、必ずスペースで表されます。
○クワイエットゾーン
クワイエットゾーンとは、コードの左右にある空白の部分です。クワイエットゾーンは、モジュール幅の10倍または2.54㎜のいずれか大きい値の余白が必要となります。
集合包装用商品コード(GTIN-14)
ITF(INTERLEAVED 2 of 5)は、集合包装用商品コードに用いられています。集合包装用商品コードとは、同一商品(同一のJANコードの商品)をまとめた集合包装に設定される14桁の商品識別コードです。主に受発注や納品、入出荷、仕分け、棚卸管理などにおいて活用されます。国際標準では、GTIN-14と呼ばれています。
○JANコード(GTIN-13)と対応している
集合包装用商品コードは、包装されてる商品のJANコード(GTIN-13)と対応しています。JANコードの13桁のうちチェックデジットを除く12桁が、集合包装用商品コードの2~13桁目に反映されます。そのため、集合包装用商品コードには、GS1事業者コードなどの情報を含まれています。
一般に集合包装用の包材には段ボール等が使用されていますが、これらの包材にはバーコードの印字精度を確保しにくい材料が使われる場合が多いです。また、集合包装のバーコードを読取る環境が、物流センターにおける自動倉庫・高速ソーターなど、必ずしも良好の読取り環境ではありません。そのため、集合包装へのバーコード表示には、高い印刷精度が求められるマルチレベルのJANコードではなく、高い印刷精度を要求されないバイナリレベルのITF(GTIN-14)が採用されています。
○インジケータ
インジケータとは、入数や荷姿など梱包形態を区別するための数字です。任意に設定できる数字は1から8までです。9は不定貫商品(個々の包装により重量が異なる商品)を識別するために使用します。
○チェックデジット
集合包装用商品コードのチェックデジットは、インジケータを含む13桁に対して計算します。そのため、インジケータが変われば、チェックデジットの値も変わります。JANコードのチェックデジットとは異なります。
○ベアラバー
ベアラバーとは、集合包装用商品コードの周囲にある枠のことです。段ボールをはじめとした包材は完全な平面ではないため、バーコードを印刷する際に印圧が一定になりにくく、バーの太さにムラができやすいといった問題点があります。ベアラバーを設けることで、バーに直接印圧がかからないように調整し、印刷精度を高めることができます。
チェックデジット(モジュラス10ウェイト3・1)
- <計算式>
- ①データの末尾の桁からウエイトを3.1.3.1.とかけてゆき総和を求めます。
- ②総和を"10"で割りその 余りを求めます。
- ③"10"より余りを引いた値がチェックデジットとなります。
- <計算例> (例)12345
- ①(5×3)+(4×1)+(3×3)+(2×1)+(1×3) =33
- ②33/10=3 余り3
- ③10-3=7 チェックデジット「7」 ※余りが0の場合はチェックデジット「0」
- ※上記のチェックデジットのご使用で、万一トラブルや損失・損害等が発生したとしても、弊社は一切責任を負わないものとします。
関連技術情報
◯自動認識基礎知識 ◯バーコード基礎知識 ◯金属・樹脂銘板基礎知識 ◯シール/ラベル/ステッカー基礎知識 ◯カード基礎知識