コード概要
コード外観 | ||
規格 | ISO | 15417 |
JIS | X0504 | |
キャラクタ・セット | フルASCII(128文字) | |
コードタイプ | 連続型(Continuous) | |
体系 | マルチレベル((n,k)シンボル体系) ※n=11 k=4 | |
データキャラクタ | 11モジュール(黒バー3本、白バー3本、エレメント幅4種) ※ストップキャラクタは、13モジュール |
|
情報量 | シンボルの長さ | 可変長 |
キャラクタ密度 | 4.77字/㎝(半角数字の表示の場合は、この2倍になる) | |
モジュール幅 | 0.191㎜ | |
両方向走査 | 可能 | |
自己チェック機能 | あり | |
チェックデジット | 自動的に設定されます(モジュラス103) | |
最小クワイエットゾーン | モジュール幅の10倍または2.54㎜の大きい方(手動で走査する場合は6.35㎜以上推奨) | |
使用実績例 | 製造業、流通業など |
Code128の概要
Code128は、コンピュータ アイデンティクス社(アメリカ)が、1981年に開発したバーコードです。パソコンの入力に対応するため、アスキーコードの128キャラクタを表現でき、その128が名称の由来になっています。情報密度が高く信頼性も高いため、Code39に代わって工業分野でも広く採用されています。
Code128の特徴
- ○表現できる文字が多い
- Code128は、スタートコードなどでA、B、Cの3種類のキャラクタセットを選択することができるため、同じバーパターンでもキャラクタセットを変更することで、異なるキャラクタを表現できます。そのため、他のバーコードと比べて表現できる文字が非常に多く、アスキーコードの128キャラクタを表現することができます。
- ○半角数字表示の場合の情報密度が高い
- 「CODE C」のキャラクタセットでは、一つのシンボルキャラクタで2桁の数字を表すことができるため、半角数字のみであれば非常に高い情報密度になります。
Code128の構成・用語
○バー・スペース
バー及びスペースとは、Code128を構成する最小単位のことです。Code128ではそれぞれ4種類の太さがあります。
○スタートキャラクタ・ストップキャラクタ
スタート・ストップキャラクタとは、コードの始まりと終わりを示すキャラクタです。Code128のスタートキャラクタは、「CODE A」、「CODE B」、「CODE C」の3種類があり、それにより使用するキャラクタセットを選択できます。一方、ストップコードは1種類です。
○チェックデジット
Code128は、チェックデジットが自動的に設定されます。Code128に使用されるチェックデジットはモジュラス103で、その計算式に対応したバーパターンがバーコードに付与されます。ルビとしては表示されません。
○クワイエットゾーン
コードの左右にある空白の部分です。クワイエットゾーンは、モジュール幅の10倍または2.54㎜の大きい方の余白が必要となります。
- ○コードセットキャラクタ
- コードセットキャラクタとは、コードの途中で使用するキャラクタセットを変更するためのキャラクタです。例えば、スタートキャラクタで「CODE A」を選択したとしても、コードセットキャラクタによって途中から「CODE B」または「CODE C」に変更することができます。
- ○シフトキャラクタ
- シフトキャラクタとは、1文字のみキャラクタセットを次のキャラクタセットに変更するキャラクタです。例えば、「CODE A」を選択している際に、シフトキャラクタを挿入することによって、それに続く一文字だけが「CODE B」となります。「CODE B」を選択している場合は「CODE C」に変更されます。
- ○ファンクションキャラクタ
- ファンクションキャラクタとは、Code-128の機能を拡張するための制御記号です。FNC1~4まであり、FNC1及びFNC4はリーダーの特定定義用に使用されます。FNC2は、その後に続くデータを記憶し、任意の場所に挿入する際に使用します。FNC3は、リーダーに対して初期設定に関する命令をする際に使用します。Code128を使用するGS1-128バーコードは、FNC1を使用することにより、自身がGS1-128バーコードであることを定義しています。
GS1-128バーコード
Code128は、GS1-128バーコードに用いられています。GS1-128バーコードはGTIN-14を表現することができるので、流通や物流、製造の分野において活用されています。
○集合包装用商品コード(GTIN-14)と属性情報を表現することができる
集合包装用商品コード(GTIN-14)とは、同一商品(同一のJANコードの商品)をまとめた集合包装に設定される14桁の商品識別コードです。ITFでもGTIN-14を表現することはできますが、製造年月日やロット番号といった属性情報を表現することはできません。GS1-128バーコードは、アプリケーション識別子を使用することによって、GTIN-14だけではなく、属性情報もバーコードにして表現することができます。一つのGS1-128バーコードで表現することができる最大桁数は、48桁です。
- ※GTINについては、「GTIN(Grobal Trade Item Number)」をご覧ください。
- ※アプリケーション識別子については、「GS1アプリケーション識別子(AI)」をご確認ください。
○スタートキャラクタ・ストップキャラクタ
GS1-128バーコードで表現するデータはほとんどが数字なので、基本的にスタートキャラクタは「CODE C」を使用します。ストップキャラクタは、Code128と同様に1種類です。
○ファンクションキャラクタ
GS1-128では、自身がGS1-128であると定義するために、スタートコードの直後にFNC1を使用します。また、アプリケーション識別子を利用して表現する属性情報が可変長の場合、属性情報のデータの終了を示すためにFNC1を使用します。
○アプリケーション識別子
GS1-128は、アプリケーション識別子を使用して、属性情報を表します。アプリケーション識別子に続くデータには、桁数が固定のものと可変長のものがあります。可変長の場合、データの終了を示すためにファンクションキャラクタを使用する必要があります。
○チェックデジット
GS1-128のチェックデジットはありますが、ルビとして表示はされません。
チェックデジット(モジュラス103)
- <計算式>
- ①ストップコードを除いたキャラクタを、それぞれに対応する数値に変換します。
- ②スタートコードに1をかけ、次のキャラクタから順にウエイトを1,2,3,4,5...とかけます。
- ③総和を103で割り、余りを求めます。
- ④余りに対応するキャラクタを求めます。
数値 | CODE A | CODE B | CODE C | 数値 | CODE A | CODE B | CODE C | 数値 | CODE A | CODE B | CODE C | 数値 | CODE A | CODE B | CODE C |
0 | SP | SP | 00 | 27 | ; | ; | 27 | 54 | V | V | 54 | 81 | q | q | 81 |
1 | ! | ! | 01 | 28 | < | < | 28 | 55 | W | W | 55 | 82 | r | r | 82 |
2 | " | " | 02 | 29 | = | = | 29 | 56 | X | X | 56 | 83 | DC3 | s | 83 |
3 | # | # | 03 | 30 | > | > | 30 | 57 | Y | Y | 57 | 84 | DC4 | t | 84 |
4 | $ | $ | 04 | 31 | ? | ? | 31 | 58 | Z | Z | 58 | 85 | NAK | u | 85 |
5 | % | % | 05 | 32 | @ | @ | 32 | 59 | [ | ] | 59 | 86 | SYN | v | 86 |
6 | & | & | 06 | 33 | A | A | 33 | 60 | \ | \ | 60 | 87 | ETB | w | 87 |
7 | ' | ' | 07 | 34 | B | B | 34 | 61 | ] | ] | 61 | 88 | CAN | x | 88 |
8 | ( | ( | 08 | 35 | C | C | 35 | 62 | ^ | ^ | 62 | 89 | EM | y | 89 |
9 | ) | ) | 09 | 36 | D | D | 36 | 63 | _ | _ | 63 | 90 | SUB | z | 90 |
10 | * | * | 10 | 37 | E | E | 37 | 64 | NUL | ` | 64 | 91 | ESC | { | 91 |
11 | + | + | 11 | 38 | F | F | 38 | 65 | SOH | a | 65 | 92 | FS | | | 92 |
12 | , | , | 12 | 39 | G | G | 39 | 66 | STX | b | 66 | 93 | GS | } | 93 |
13 | - | - | 13 | 40 | H | H | 40 | 67 | ETX | c | 67 | 94 | RS | ~ | 94 |
14 | . | . | 14 | 41 | I | I | 41 | 68 | EOT | d | 68 | 95 | US | DEL | 95 |
15 | / | / | 15 | 42 | J | J | 42 | 69 | ENQ | e | 69 | 96 | FNC 3 | FNC 3 | 96 |
16 | 0 | 0 | 16 | 43 | K | K | 43 | 70 | ACK | f | 70 | 97 | FNC 2 | FNC 2 | 97 |
17 | 1 | 1 | 17 | 44 | L | L | 44 | 71 | BEL | g | 71 | 98 | SHIFT | SHIFT | 98 |
18 | 2 | 2 | 18 | 45 | M | M | 45 | 72 | BS | h | 72 | 99 | CODE C | CODE C | 99 |
19 | 3 | 3 | 19 | 46 | N | N | 46 | 73 | HT | i | 73 | 100 | CODE B | FNC 4 | CODE B |
20 | 4 | 4 | 20 | 47 | O | O | 47 | 74 | LF | j | 74 | 101 | FNC 4 | CODE A | CODE A |
21 | 5 | 5 | 21 | 48 | P | P | 48 | 75 | VT | k | 75 | 102 | FNC 1 | FNC 1 | FNC 1 |
22 | 6 | 6 | 22 | 49 | Q | Q | 49 | 76 | FF | l | 76 | 103 | START(CODE A) | ||
23 | 7 | 7 | 23 | 50 | R | R | 50 | 77 | CR | m | 77 | 104 | START(CODE B) | ||
24 | 8 | 8 | 24 | 51 | S | S | 51 | 78 | SO | n | 78 | 105 | START(CODE C) | ||
25 | 9 | 9 | 25 | 52 | T | T | 52 | 79 | SI | o | 79 | ||||
26 | : | : | 26 | 53 | U | U | 53 | 80 | DLE | p | 80 | STOP |
- <計算例> (例)START A・1・2・3・A・B・C・!・?・STOP
- ①(1×103)+(1×17)+(2×18)+(3×19)+(4×33)+(5×34)+(6×35)+(7×1)+(8×31) = 980
- ②980/103=9 余り53
- ③53に対応するキャラクタ「53」または「U」がチェックデジットとなる。
- ※上記のチェックデジットのご使用で、万一トラブルや損失・損害等が発生したとしても、弊社は一切責任を負わないものとします。
関連技術情報
◯自動認識基礎知識 ◯バーコード基礎知識 ◯金属・樹脂銘板基礎知識 ◯シール/ラベル/ステッカー基礎知識 ◯カード基礎知識