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GS1アプリケーション識別子(AI)

GS1アプリケーション識別子とは、GS1が標準化した、さまざまな情報の種類とフォーマット(データの内容、長さ、および使用可能な文字)を管理する2桁から4桁の数字のコードです。AI(Application Identifier)と呼ばれることもあります。商品識別コード(GTIN)や、商品製造日、ロット番号などの様々な属性情報の先頭につけて使用します。アプリケーション識別子を使うことで、商品識別コードやさまざまな属性情報を、異なる企業間・システム間でも共通化された方式で、バーコード化して伝達することが可能になります。アプリケーション識別子を使用できるバーコードシンボルは、GS1 DataBar Expanded、GS1 DataBar 合成シンボル、GS1-128、GS1 QRコード、GS1 DataMatrixの5種類です。

GS1アプリケーション識別子の特徴

○異なる企業間・システム間で、正確かつ迅速なやりとりが可能
異なる企業では、使用している単位や表記方法が異なる場合があります。また、バーコード化する際に数字のデータを羅列しているだけでは、どこが情報の境目なのか分からなくなってしまいます。アプリケーション識別子でデータ項目や桁数を標準化することによって、企業間での取引をスムーズに行うことができます。

○拡張性がある
該当するアプリケーション識別子を使用することによって、複数のデータ項目を自由に組み合わせて表示することができます。そのため、属性情報の追加や変更、削除を容易に行うことが可能です。

○海外とのビジネスに利用できる
アプリケーション識別子は、国際機関であるGS1が定めた世界標準です。そのため、国内に限らず、海外の取引にもそのまま利用できます。

流通業界に関係した主なアプリケーション識別子

AI番号 データ項目 識別子の定義・内容 フォーマット
01 GTIN 商品識別コード。ある商品またはサービスを国際的に一意に識別するための番号。長さは8桁、12桁、13桁、または14桁がある。14桁未満のGTINをAI(01)によって表現する場合は、GTINの先頭に、必要分だけ0を足して14桁とする。 n2+n14
10 ロット番号 識別のためメーカーが設定する記号番号(ロット番号、バッチ番号、加工処理番号、シフト番号等)。 (n2+an...20)
11 製造年月日 メーカーが定義する、製造又は組み立て日。ISOのフォーマットYYMMDDで記述。 n2+n6
15 品質保持期限日 製品を使用/消費する際に望ましい品質が保持される期日を示す。この期日を過ぎても、使用は可能な場合もある。ISOのフォーマットYYMMDDで記述。Best Beforeとも。 n2+n6
17 有効期限日 有効(使用)期限、薬効期限など。製品が使用または消費に耐えうる期日を示す。これ以降の使用・消費は直接または間接的なリスクを生じる可能性がある期日。ISOのフォーマットYYMMDDで記述。Expiration Date/Use By Dateとも。 n2+n6
21 シリアル番号 製品のライフタイム全体にわたって、メーカーが設定した連続番号、またはコード(製造シリアル番号、追跡可能番号、連絡管理のID番号等)。 (n2+an...20)
251 元の商品/原材料
参照番号
参照元となる商品などの番号(枝肉に対する個体識別番号、リサイクル部品に対する元の家電製品の番号など)。 (n3+an...30)
410-415 GLN グローバルロケーションナンバー(Global Locaton Number)。物理定な場所、企業やその部署などを識別する。請求先、配送先などを表すために使用される。 n3+n13
422 原産国コード 原産国コードをISO3166-1国コードで表示。日本を表すコードは392。 (n3+n3)
427 原産国の
地域コード
原産地で、国より一つ下の単位(日本の都道府県、米国の州など)を表すコード。ISO3166-2を使用する。常に商品識別コード(01)および、原産国コード(422)とともに使用する。 (n3+an...3)
7003 有効期限(日時分) 製品の有効期限を時間・分まで示す場合に使用する。長距離の移動がなく、一つのタイムゾーン(日本標準時、セントラルヨーロッパ時間など)の域内でのみ使用する製品に利用する。YYMMDDHHMMの10桁で年月日時分を表示。 (n4+n10)
8003 リターナブル資産
識別番号(GRAI)
リターナブル備品・容器(コンテナ等物流で使用される搬送什器、容器)の識別番号(Global Individual Returnable Aseet Identifier)。GS1事業者コード+備品の識別コードの14桁(+任意・可変長のシリアル番号最大16桁)で構成。 (n4+n14+an...16)
8004 資産管理
識別番号(GIAI)
資産(備品・容器等)の管理識別番号(Global Individual Asset Identifier)。GS1事業者コード+可変長(最大30桁)の資産識別コードで構成される。資産の管理にのみ使用し、物流単位や取引の対象には使用してはならない。 (n4+an...30)
91-99 企業内使用 企業の内部で使用するデータを表示する。 (n2+an...30)

※上記に記載されているアプリケーション識別子は、あくまで一部です。
※フォーマット欄のnはデータが数字であること、anはそのデータが英数字及びその他のASCII記号であることを示します。
※フォーマット欄のnやanの後の数字はデータの桁数(長さ)を示します。数字のみの場合は固定長、"..."がついている場合は可変長です。
※フォーマット欄の記述が()で囲まれているAIは、それを可変長とみなします。
※上記の表のご使用で、万一トラブルや損失・損害等が発生したとしても、弊社は一切責任を負わないものとします。

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